テキストサイズ

不器用なタッシュ

第12章 時限爆弾設置

翌日10時半…


フロントから香織の到着の連絡が入った。


数分後…


コンコンッ!


部屋のドアがノックされた。


来たっ!
会社を利用すれば何て事なく香織を呼び出せる。


面白いくらいスムーズに事が進んでいたが、胸は鼓動が逸りだした。


昂揚感かな…?


基本的余り緊張しない俺でも、香織の事になると、何故か落ち着かない。


「あの~カッティングエッジカーサの者ですが…」


ドア越しに香織の声が聞こえ、俺は白ワインのボトルを握って歩き出す。


ガチャリ…


ドアが開けると香織は綺麗なお辞儀をして…


「お待たせしました。私、渡辺と申します」


たく…お辞儀をする前に、一旦相手の顔くらい見ろよ…


香織の間抜けさに、そんな事が思える余裕すら生まれてきた。


「クスッ…」


含み笑いをこぼしながら、香織の腕を思いっきり引っ張って部屋の中に引き入れる。


「キャッ!!」


驚いて叫ぶ香織に俺は不敵な笑みを口元に浮かべ


「香織…待ってたよ」


勝ち誇った様に君の名前を呼ぶ。


「嘉之っ!」


目の前に居るのが俺だと分かった瞬間、香織の顔は恐怖で歪んだ。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ