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不器用なタッシュ

第12章 時限爆弾設置

バッ!

香織は思いっきり俺の手を振り払って、抵抗するかの様にドアの前で立ち止まり


「どうゆうつもりよ…会社をまた利用して」


明らかに怒りを露わにして俺を責めてきたが、何を言われようと痛くもない。


「俺だって客になるし、元々は関係者だぜ」


さも当たり前の如く正当化してやると、香織は目を見開いて呆れた顔をした。


これから起きるシナリオを知った時…
香織はもっと、驚愕するだろうな。


どこか壊れ掛けている俺は、罪悪感より、昂揚感に身体が満たされる。


「それより入賞のお祝いまだしてもらってないんだけど。ワイン頼んだから一緒に飲もうぜ」


不敵に笑ってルームサービスで用意した白ワインを香織の頭上に持ち上げた。


香織は小さく溜め息を吐いて


「あのさ…こないだ話したよね。私もう嘉之とこうゆうことしないし、会わないよ」


ハッキリ言い切られ、一緒にお祝いもしてくれない態度に少し苛っとくる。


誰のためにここまで、頑張ってきたと思ってんだよ…。


「ははっ!そんなの香織が勝手に決めたって俺が承知しないし」 


俺は自分の努力を正当化して、権利を主張した。


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