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不器用なタッシュ

第12章 時限爆弾設置

俺がこんなに君を必要としてる訳…


俺が必死で頑張ってきた源…


俺が生きていく一番の理由…


「今の俺があんのは、香織が居たからだよ」


無意識に避けた『好き』。


でもそんな『二文字』じゃ収まりきらない。


だから精一杯伝えたんだ…


俺の…

『過去』

『現在』


そして『未来』の気持ちをーーーー


だけどその瞬間、香織は思いっきり怪訝な顔になった。


バッシャッ!


琥珀色に輝くワインとは裏腹に、俺の胸の奥には真っ黒なインクが広がり出していくようだった。


前の俺だったら、これで切れていただろう…。


でも、流石にもうそこまで浅はかではない。


もしくくは怒りの沸点を超えて、妙に落ち着いてしまっていたのか…。


俺はワインボトルを手に取り、香織のグラスに注いでいく。


「まぁ。飲みなよ!」


「あっ、や…ちょっと!!」


香織の緊張を煽ってどんどん飲ませる。


ボトル一本空けるのに、然程時間はかからなかった。

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