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不器用なタッシュ

第12章 時限爆弾設置

ワインを飲み始めてから、二時間ほど経過した。


元々お酒が強い香織だが、流石にワインだけをハイピッチで飲ませたら酔いが回るのも早かった。


それでも気丈に意識を保っているのは、根性がある香織だけあるなと笑みすら浮かぶ。


それに引き換え俺は、香織のグラスにワインを注ぐだけ注いで、自分は二杯くらいしか飲んでない。


そんな俺を香織は酔って据わった目で訝しげに見る。


「嘉之…なんで余り飲んでないの…?」


「えっ、飲んだら、車で送れないじゃん」


「へっ…そっか…ありがとう…」


俺が余り飲んでいないのを気にしているのは分かっていたから、当たり障りない嘘をついておくと、香織は鵜呑みにして少しホッとした表情になった。


グラスにこれ以上のワインを注がれないようにか、限界なのか――――


香織は両手でグラスを持って固まっている。


そろそろかな――――。


「香織、横になる?」


俺は今日の『目的』へ行動を移し始めた。

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