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不器用なタッシュ

第13章 奪回

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それから一週間――――


俺は香織に一切連絡をしなかった。


あんなに抱いたって、香織の気持ちがすんなり戻るとは思っていない。


メールしたところで、却って拒否られても面倒だ。


沈黙を保ちながら、次の行動に出るために香織の動きを把握することに専念した。


それは香織が仕事帰りに、どうしているかだ。


会社の入り口付近に車は停めておられない。


更にプロジェクトの関係で、俺の顔は会社の連中に結構知られているし、元木…
兄貴の嫁に会ったらことさら面倒だ。


目に付かないようにかなり遠方から香織の様子を伺った。


予想通り…
香織は毎日真っ直ぐ小田切のマンションに帰っていく。


分かってはいたさ――――。


でも心の何処かで、たまには自分のアパートに戻る日があるんじゃないかと無駄な期待をしていんだ。


だから――――



――――裏切った君がいけないんだ。


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