
不器用なタッシュ
第13章 奪回
嫌味ったらしく言ってやる。
「小田切~?」
「えっ…」
「香織、金曜日にすげぇ~拘るよな。小田切だろ?」
不敵に笑って香織を凝視すると、眉を寄せて不機嫌そうな顔になった。
「…そんなこと…」
あるだろうが!
心の中で突っ込みながら、確実に香織を誘導していく。
「ちゃんと送ってやるし、こないだみたいなことしないから乗れよ」
「…騙されやすいもん…私…」
「ぷっ!確かに!」
ムスクれてそう言った香織に笑っちまった。
少しは学習してるんだな。
だったらこれも有効だろ…
「逃げても追っかけるよ」
「くっ…」
案の定香織は悔しそうにしながらも、大人しく助手席に乗ってきた。
俺はほくそ笑みながら、ニュービートルのアクセルを踏んだ。
地上に出ると帰宅時間のオフィス街の道は車のヘッドライトで満ち溢れて、眩しくて片目を細めた。
俺を視界に入れないようにか、無言で流れる景色を眺めている香織に単刀直入で聞いてみる。
「小田切~?」
「えっ…」
「香織、金曜日にすげぇ~拘るよな。小田切だろ?」
不敵に笑って香織を凝視すると、眉を寄せて不機嫌そうな顔になった。
「…そんなこと…」
あるだろうが!
心の中で突っ込みながら、確実に香織を誘導していく。
「ちゃんと送ってやるし、こないだみたいなことしないから乗れよ」
「…騙されやすいもん…私…」
「ぷっ!確かに!」
ムスクれてそう言った香織に笑っちまった。
少しは学習してるんだな。
だったらこれも有効だろ…
「逃げても追っかけるよ」
「くっ…」
案の定香織は悔しそうにしながらも、大人しく助手席に乗ってきた。
俺はほくそ笑みながら、ニュービートルのアクセルを踏んだ。
地上に出ると帰宅時間のオフィス街の道は車のヘッドライトで満ち溢れて、眩しくて片目を細めた。
俺を視界に入れないようにか、無言で流れる景色を眺めている香織に単刀直入で聞いてみる。
