
不器用なタッシュ
第13章 奪回
ジッと凝視する俺の視線に囚われたように香織は見詰め返して呟いた。
「シ…シエロ…」
「ほら…思い出したろ」
《Cielo verde》
ありったけの緑色系で塗りたくった、俺の心の中…。
『緑の空』
俺と香織を繋げた作品――――。
『複雑そうで寂しそうで…面白くて結構クセが強いけど、奥底は優しい…感じかな…』
初めて君と出逢ったあの日――――
一目で俺の闇に踏み込んで来たんだ。
躊躇いもなく…
眩しい笑顔で光明を射しながら――――。
「香織…その時言ったよな…『ずっと見てたい』って…」
「あっ…うん…」
俺は催眠術でも掛けるかのように、香織に囁き出す。
「俺だけ見てれば、いいんだよ…」
「…でも…」
手を伸ばし、香織の頬に触れる。
「俺だけ居れば…いいだろ?」
「あっ…」
ゆっくり顔を近付けていく…。
「香織…俺の側に居るだけで…いいんだよ…」
「……嘉之…」
混乱しているのか…
戸惑いなのか…
香織は目は焦点がズレているみたいに虚ろに俺を見る。
俺は顔を傾けて…
香織の唇に重ねようとした――――
「シ…シエロ…」
「ほら…思い出したろ」
《Cielo verde》
ありったけの緑色系で塗りたくった、俺の心の中…。
『緑の空』
俺と香織を繋げた作品――――。
『複雑そうで寂しそうで…面白くて結構クセが強いけど、奥底は優しい…感じかな…』
初めて君と出逢ったあの日――――
一目で俺の闇に踏み込んで来たんだ。
躊躇いもなく…
眩しい笑顔で光明を射しながら――――。
「香織…その時言ったよな…『ずっと見てたい』って…」
「あっ…うん…」
俺は催眠術でも掛けるかのように、香織に囁き出す。
「俺だけ見てれば、いいんだよ…」
「…でも…」
手を伸ばし、香織の頬に触れる。
「俺だけ居れば…いいだろ?」
「あっ…」
ゆっくり顔を近付けていく…。
「香織…俺の側に居るだけで…いいんだよ…」
「……嘉之…」
混乱しているのか…
戸惑いなのか…
香織は目は焦点がズレているみたいに虚ろに俺を見る。
俺は顔を傾けて…
香織の唇に重ねようとした――――
