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不器用なタッシュ

第14章 発動

一ヵ月――――。

長いと思っていたがイタリア準備に追われて、あっという間に過ぎていった。


日々の忙しさに、憎らしい小田切のことを忘れられるのも都合良かった。


打ち合わせもあって、トランスポートへ行くと担当の辻さんがハイテンションで話しかけてきた。


「須永くん! 来週のカッティングさんとのランチミーティング、一緒に同席して欲しいんだけど、予定大丈夫かな?」


イタリアへの新規事業拡大なのもあって、ここ最近は更に上機嫌だ。


常にテンションが低めの俺からしたら、正直鬱陶しくもあるが、イタリア行きを無事に成功させるためには、この人の存在は必要不可欠だ。


俺に予定が入っていないの、分かってそうだけどな。


Yesありきな質問に、相手の期待通り答えておく。

「はい、大丈夫です。自分の今後に関わる大事なミーティングですから、是非同席させて頂きます」

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