
不器用なタッシュ
第14章 発動
万が一の望みを掛けて設置した、『時限爆弾』。
香織の中でカウントダウンが始まった可能性に、俺の胸の鼓動が熱く高鳴りだす。
「えっ!ジュースですか?」
「僕も、車なんで烏龍茶でいいです」
「そっか~。井関さん、僕たちだけ頂きますか」
「えぇ……じゃあ」
俺は元々飲む気もなかったし、チャンスがあれば香織と二人っきりになろうと思って車で来たが、どうしても乾杯したかったのか辻さんは心底残念がっている。
そんな辻さんに申し訳ないなんて微塵も感じることなく、時限爆弾が発動しているのか気になって香織の様子を伺っていると、俺と目が合った途端、香織は動揺を隠せないまま慌てて視線を逸らしてフリーズする。
まるで蛇に睨まれた蛙だな――――。
そんな香織の姿に笑みが零れそうになるのを堪えて、今回の企画提案の意図を話し出した。
「今回、受賞を切っ掛けに念願だった海外進出をさせてもらえることになりまして、トランスさんがイタリアに取引会社があって協力してもらいました」
「凄いですね!」
井関さんの明るい反応に、良い感じの手応えを確認しつつ話を続けていく。
香織の中でカウントダウンが始まった可能性に、俺の胸の鼓動が熱く高鳴りだす。
「えっ!ジュースですか?」
「僕も、車なんで烏龍茶でいいです」
「そっか~。井関さん、僕たちだけ頂きますか」
「えぇ……じゃあ」
俺は元々飲む気もなかったし、チャンスがあれば香織と二人っきりになろうと思って車で来たが、どうしても乾杯したかったのか辻さんは心底残念がっている。
そんな辻さんに申し訳ないなんて微塵も感じることなく、時限爆弾が発動しているのか気になって香織の様子を伺っていると、俺と目が合った途端、香織は動揺を隠せないまま慌てて視線を逸らしてフリーズする。
まるで蛇に睨まれた蛙だな――――。
そんな香織の姿に笑みが零れそうになるのを堪えて、今回の企画提案の意図を話し出した。
「今回、受賞を切っ掛けに念願だった海外進出をさせてもらえることになりまして、トランスさんがイタリアに取引会社があって協力してもらいました」
「凄いですね!」
井関さんの明るい反応に、良い感じの手応えを確認しつつ話を続けていく。
