
不器用なタッシュ
第14章 発動
「どうしましょう。個室だし、少しこのまま横にしておいた方がいいかしら?」
「でも、病気かもしれなかったら大変ですし、病院に連れて行った方が良くないですか!」
井関さんと辻さんが、香織をどうするか考えだした。
出来ることなら、このまま香織を掻っ攫いたい。
何より病院に行くのは、避けた方が良いだろう。
もし予想の一つが当たっていたら、香織のイタリア行きがなくなる可能性が高くなるし、相手が誰かも追及されかねない。
俺は公になっても構わないがイタリア行きが確定しているだけに、このことがどう作用するか今は予測できねえ。
先ずは、本人に確認だろな――――。
「井関さん。もし差し支えなければ、俺が渡辺さんを送りますよ。車で来ていますし。井関さんと辻さんは、ミーティングを続けて下さい」
「え、でも。うちの社員のことで、須永さんにご迷惑を掛ける訳には……」
井関さんは恐縮しているけど、うちの社員というより『俺の香織』だから!
「渡辺さんには、恩があります。今の俺があるのは渡辺さんが居てくれたからと言っても過言じゃないですから」
本当に――――香織が居たから、頑張ってこれたんだよ。
「でも、病気かもしれなかったら大変ですし、病院に連れて行った方が良くないですか!」
井関さんと辻さんが、香織をどうするか考えだした。
出来ることなら、このまま香織を掻っ攫いたい。
何より病院に行くのは、避けた方が良いだろう。
もし予想の一つが当たっていたら、香織のイタリア行きがなくなる可能性が高くなるし、相手が誰かも追及されかねない。
俺は公になっても構わないがイタリア行きが確定しているだけに、このことがどう作用するか今は予測できねえ。
先ずは、本人に確認だろな――――。
「井関さん。もし差し支えなければ、俺が渡辺さんを送りますよ。車で来ていますし。井関さんと辻さんは、ミーティングを続けて下さい」
「え、でも。うちの社員のことで、須永さんにご迷惑を掛ける訳には……」
井関さんは恐縮しているけど、うちの社員というより『俺の香織』だから!
「渡辺さんには、恩があります。今の俺があるのは渡辺さんが居てくれたからと言っても過言じゃないですから」
本当に――――香織が居たから、頑張ってこれたんだよ。
