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不器用なタッシュ

第17章 強行突破

柔らかい唇を割って舌を挿れて、香織のものに絡ませる。


「ふっ! ん~!」


香織は無駄な抵抗をしようとするが、絶対な力を分らせるように口の中を蹂躙していく。


身体の自由も奪われ、口の中も支配されて、観念したのか香織は大人しくなった。


クチュ――――絡めた舌を開放し、濡れた唇をゆっくり離すと香織を見下ろしながら取引を再開する。


「さぁ……取り引きだ。香織のパスポートは何処にあんの?」

「は……パスポート……? 何でよ」

「いいから言えよ」


香織は一瞬、唇を噛んだ。


「この……下よ」

「ベッドの下ね……」


あぁ――――なるほどな。
てか、なんでこんな所に――――ま、いっか。


ようやく俺は、目的に『パスポート』を手に入れた。


やった、やった――――!

これで俺は――――

「香織! 明日から一緒にイタリア行くからな!」

喜びのまま叫んだ。


俺の言葉に理解が出来ないでいる香織は、唖然としている。


「な、何言ってるのよ! 企画は無くなったのよ!」

「あぁ……知ってるから、チケット個人で取ったから」

「嘘でしょ……」


目的を知った香織は、驚きの余りか言葉を失っていた。


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