
不器用なタッシュ
第18章 旅立ち
「なぁ嘉之。担当の辻さんは来ないのか?」
「来なくても大丈夫って言った。他にも担当している作家いるから忙しいし」
「一応、気を使ったんだ。偉いじゃん」
「馬鹿にしてんのか?」
「素直に褒めてんだよ~」
あんなことしても、こうやって話してくる安岡だけは、これからも『腐れ縁』で居られそうだ。
「別に気を使った訳じゃないよ……」
「うん……」
その一言で安岡は察したようだ。
正直、今は一人で居たかった――――。
隣に香織が居ない現実に、気持ちがまだ追いつかない。
――――昨日、香織が部屋を出ていった後、安岡がやってきた。
今までに見たことがないくらい、凄い剣幕で怒っていた。
香織に事情を聞いて、後は全部責任を取る覚悟で俺を殴ってやろうと思っていたみたいだ。
頭を痛めている俺を見ても、安岡は容赦なく言ってきた。
「嘉之、いい加減にしろよ! ここまでしたら、誰もお前のことなんか信じられないぞ!」
本気で怒っている安岡の目を見て――――あぁこいつも俺の前から居なくなるんだろうな――――。
そう確信していたんだけど――――。
「来なくても大丈夫って言った。他にも担当している作家いるから忙しいし」
「一応、気を使ったんだ。偉いじゃん」
「馬鹿にしてんのか?」
「素直に褒めてんだよ~」
あんなことしても、こうやって話してくる安岡だけは、これからも『腐れ縁』で居られそうだ。
「別に気を使った訳じゃないよ……」
「うん……」
その一言で安岡は察したようだ。
正直、今は一人で居たかった――――。
隣に香織が居ない現実に、気持ちがまだ追いつかない。
――――昨日、香織が部屋を出ていった後、安岡がやってきた。
今までに見たことがないくらい、凄い剣幕で怒っていた。
香織に事情を聞いて、後は全部責任を取る覚悟で俺を殴ってやろうと思っていたみたいだ。
頭を痛めている俺を見ても、安岡は容赦なく言ってきた。
「嘉之、いい加減にしろよ! ここまでしたら、誰もお前のことなんか信じられないぞ!」
本気で怒っている安岡の目を見て――――あぁこいつも俺の前から居なくなるんだろうな――――。
そう確信していたんだけど――――。
