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不器用なタッシュ

第4章 シエロ

約6年前

「嘉之、凄いじゃん!生意気に雑誌載ってる~!」


久々に落ち合った安岡は、居酒屋で興奮気味に俺が取材受けたアート雑誌を見ていた。


「生意気は、余計だろが!」


俺は苦笑しながら、酎ハイを飲む。


高校卒業後は、同じ専門学校に行った。


安岡にも彼女が出来たけど、俺は相変わらず近寄って来たヤツを性欲の捌け口にしていた。


正直、高校の時の痛手でやさグレ具合は増していた。


そんな俺を叱りながらも、ずっと心配をしてくれている。


卒業したら、安岡も都内の会社に就職が内定し、俺はバイトで貯めた金で上京を決意し、二人で新潟を出てきた。

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