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不器用なタッシュ

第4章 シエロ

バイトをしながら、ネットや美術雑誌などの媒体を使って、描いた絵を宣伝していくと、最近は反応が出てくる様にまでなり、以前懸賞で送った雑誌から、声を掛けて貰い個展を宣伝とインタビュー記事が載った。


「絵でここまで来れるなんて、嘉之って実は凄いんだな!」


「実はも、余計だ。」


安岡は、苦笑いしながら


「これで女癖の悪さが治ったら最高なのにな~。」


「別に俺から引っ掛けたのは、いないけど。」


罪悪感を感じなく言った俺に


「引っ掛けなくても、ヤリ捨てしてたら同じだろ!」


ムキになる安岡に、鼻で笑いながら


「はは!捨ててもないよ。あいつ等が勝手に居なくなるだけだしぃ。」


「うっ!」


俺の荒み方に、安岡の方が罪悪感を浮かべてる。


「嘉之…土屋に連絡したの?」


「してねぇよ。わざわざ面倒臭い…。」


無意識に、目が塞ぐ。


何か読み取ったかの様に、しんみりとなり


「そっか…元気かな~。」


「元気だろ…。」


それからは、土屋の話題は出なかった。


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