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不器用なタッシュ

第4章 シエロ

「何か印象的だったよな!」


掃除を手伝ってくれながら、安岡が楽しそうに言ってきた。


「あ~何が?」


「渡辺さん!あの子…何かちょっと残らない?」


トックン…。


胸の奥に、小さな点が浮き上がる。


「あぁ…シエロにハマる人なんて、そうそういないだろうしな。」


パッと見、訳解らない作品だし。


「う~ん、そうなんだけど…何だろうな~作品を観る目かな?俺は絵心ないから正直解らないけど…それでも、あの子の目は何か違う気がした!」


目か…確かに印象的な瞳だったよな。


意識的なのか無意識なのか…何かを探る様に食い入って来る様な…。


俺自身を探られてる気分になる。


トックン…。


また、何か落ちてきた。


今度、いつ来るかな…。

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