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君と描き始める未来に

第2章 指輪と混乱と我慢

ガチャリ…。
マンションの鍵を回し、今朝の出来事にちょっと疲れ気味でドアを開けた。


「ただいま~。」


「志信~お帰りなさい!」


パタパタと、スリッパの音を鳴らして、玄関まで香織が出迎えに来る。


左手には、お揃いの結婚指輪が光っている。


ヤバい…改めて、胸の奥からジンワリと何とも言えない幸福感が、沸き上がる。


「志信?」 


感無量になってる俺を笑顔で覗き込む。 

キュン!


あぁ…目の前に居るだけでホッとする…。


「香織ぃ~ただいまぁ~!」


思わず、抱き締めると


「きゃ!わっ!どうしたの?」


照れくさそうに、腕の中から俺の顔を見上げる。


可愛い…。


「志…んっ!」


無意識に…キスしてた。


包容感に包まれて、疲れが取れていきそうだ。


唇を離すと、香織は真っ赤になりながら


「志信…うがい手洗いしないと…。」


「クスッ…は~い。分かりました。」


そう答えながらも、彼女を抱き締めた。


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