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えっちな「やみのおうへのみち」

第7章 「麗しき暗黒界の王座」

この席からだと軍隊の入場を見下ろす形で、全ての隊列の動きが見て取れる。見た限りでは、ただのオペラのエキストラ役者の動きでなく、本当に練度の高い戦士の行進であるように思われた。兵士たちは古代の鎧と楯を身につけ、重々しく無言で足を運ぶ。オーケストラは俺たちのいる席の反対側の、楽団席で演奏している。行進も楽団も、共にどういう仕掛けか、青白い光に照らされ、まるで宇宙の極地にある、幻想の国の凱旋を見ているかのような風情を醸し出している。

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