えっちな「やみのおうへのみち」
第2章 「闇の斬撃――双刃操る死の少女」
このアナウンスを聞き終わったとき、俺は大会のことよもなによりも、重要な言葉がここに含まれていることについて思案していた。その重要な言葉とは他でもない、「地上の日本国の法律は適用されません」という部分だ。これはあまりに勝手じゃないだろうか。いくら人の手の及ばない地下だからといって、法律を無視して好き勝手やっていいなどという道理が通るとは思えない。もし法が犯された場合、日本の警察に通報したら、頑張って地下に部隊を派遣してくるに違いない。しかし、そういうことにしておこうか。法律が適用されないということに。なぜならその方が実に面白いからだ。法律が無い状態、まったく自然の状態におかれた人間というのはどのように行動するものであろうか?