
あなたがいてくれたから。
第43章 君にヤラレタ☆
痛いとは思っていたけど
まさか・・・ホントに
残っているなんて。
ふと、鏡を見てみると
首筋に赤い跡がくっきり残っていた。
最悪。
こんなの斗真君に見せたらどうなることか・・・。
もし、見つかったらどうしよう。
考えるだけでも背筋が凍る。
「はぁ・・・」
深いため息をつくと
斜め前でくつろいでいた
斗真くんがこちらに視線を向けて
「奈美・・・?」
「ん?」
「どうしたの?ため息なんてついちゃって。」
「いや、考え事してただけだよ?」
「ふーん。何を?」
「ん?ドラマのことだよ。」
「あー。今主演だっけ?それがどーしたわけ?」
斗真くんはやっぱり鋭い。
あたしに何かあると必ず
聞いてくる。
なんでかな・・・。
やっぱり何でもお見通しなのかな・・・。
でも、こんなこと絶対に斗真くんには言えない。
他の俳優さんに告白されて、
それが今のドラマの相手役で
ラブシーンも一緒に撮影した相手で、
しかもそいつに首筋にあとまで残されちゃったんですっ・・・。
なんて。死んでも、言えるわけがない。
しかも、その俳優さんは・・・
斗真くんの後輩で・・・。
なんて言えるわけがないよぉぉぉっ!
