
身代わり妹
第6章 暗転
工場の外で、若い作業員が立って待っていた。
声を掛ければ、工場内へと引き入れられ、休憩室のソファーに寝かされている美優の元へと連れて来られる。
両手でキツく胸を鷲掴みし、荒い呼吸を繰り返す美優。
眉間にキツく皺を寄せて目を閉じ、苦しげに顔を歪めていた。
「わ、若先生⁈ いやっ、これは……っ」
俺の顔を見た大山さんが慌てて弁解の言葉を探しているのがわかる。
副業がバレたら美優が困ると思っているのだろう。
「……大丈夫です。事情は知ってますから」
俺の言葉に、大山さんはホッと胸を撫で下ろした。
「よかった……。美優ちゃん、お姉さんの為に必死だったからさ、怒んないでやってな?」
「……」
怒るなって言う方が無理だ。
もっと自分を大事にしろって言うんだ。
美優の首に触れ脈拍を確かめる。
口元に近づけた耳に、落ち着きを取り戻しつつある呼吸が聞こえた。
「美優! 意識はあるか⁉︎」
美優の身体を揺さぶると、固く閉じられていた瞼がゆっくりと開く。
「りょ…た……」
真っ青な唇から、弱々しい声が漏れた。
(大丈夫そうだな)
安心と同時に、怒りが込み上げてくる。
「心配ばっかさせやがって……次に発作起こす前に、もう無理矢理にでも入院させるからな!」
俺は美優の身体を担ぎ上げた。
声を掛ければ、工場内へと引き入れられ、休憩室のソファーに寝かされている美優の元へと連れて来られる。
両手でキツく胸を鷲掴みし、荒い呼吸を繰り返す美優。
眉間にキツく皺を寄せて目を閉じ、苦しげに顔を歪めていた。
「わ、若先生⁈ いやっ、これは……っ」
俺の顔を見た大山さんが慌てて弁解の言葉を探しているのがわかる。
副業がバレたら美優が困ると思っているのだろう。
「……大丈夫です。事情は知ってますから」
俺の言葉に、大山さんはホッと胸を撫で下ろした。
「よかった……。美優ちゃん、お姉さんの為に必死だったからさ、怒んないでやってな?」
「……」
怒るなって言う方が無理だ。
もっと自分を大事にしろって言うんだ。
美優の首に触れ脈拍を確かめる。
口元に近づけた耳に、落ち着きを取り戻しつつある呼吸が聞こえた。
「美優! 意識はあるか⁉︎」
美優の身体を揺さぶると、固く閉じられていた瞼がゆっくりと開く。
「りょ…た……」
真っ青な唇から、弱々しい声が漏れた。
(大丈夫そうだな)
安心と同時に、怒りが込み上げてくる。
「心配ばっかさせやがって……次に発作起こす前に、もう無理矢理にでも入院させるからな!」
俺は美優の身体を担ぎ上げた。
