
身代わり妹
第6章 暗転
あと10日で検査入院だ。
昼間は病院の仕事をして、夜は工場で働く。
それ以外の時間を使い、あと10日でどれだけ稼げるというのか……。
1週間とはいえ、検査入院の費用は高額だ。
まして、検査の結果が悪かったら姉のように入退院を繰り返すのかもしれない。
「……どうしよう」
勢いで言ってしまった検査入院。
今更ながら、お金が足りない。
「うっ……」
急な吐き気に襲われ、手近にあった通勤カバンからハンカチを出して慌ててトイレへ駆け込む。
吐く事はあまりないが、時々吐きそうになる。
最近はその頻度も多くなっていた。
(胃カメラとか…されるのかな……)
部屋に戻り、ハンカチを引っ張り出した拍子に転がったカバンを拾う。
パサッ
カバンから滑り落ちた手帳。
そこに挟まれたメモ書きの、田口と言う名前と連絡先。
”一晩で10万は稼げるよ。興味あったら連絡して”
”一晩で10万⁉︎ 絶対ヤバイ仕事ですよ! 連絡しちゃダメですよ?”
二つの声が頭の中で響いていた。
昼間は病院の仕事をして、夜は工場で働く。
それ以外の時間を使い、あと10日でどれだけ稼げるというのか……。
1週間とはいえ、検査入院の費用は高額だ。
まして、検査の結果が悪かったら姉のように入退院を繰り返すのかもしれない。
「……どうしよう」
勢いで言ってしまった検査入院。
今更ながら、お金が足りない。
「うっ……」
急な吐き気に襲われ、手近にあった通勤カバンからハンカチを出して慌ててトイレへ駆け込む。
吐く事はあまりないが、時々吐きそうになる。
最近はその頻度も多くなっていた。
(胃カメラとか…されるのかな……)
部屋に戻り、ハンカチを引っ張り出した拍子に転がったカバンを拾う。
パサッ
カバンから滑り落ちた手帳。
そこに挟まれたメモ書きの、田口と言う名前と連絡先。
”一晩で10万は稼げるよ。興味あったら連絡して”
”一晩で10万⁉︎ 絶対ヤバイ仕事ですよ! 連絡しちゃダメですよ?”
二つの声が頭の中で響いていた。
