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身代わり妹

第9章 再会

私は1週間の絶対安静となった。

1週間も安静にしていられる場所もないし、血圧も高めなのが気になるということで、このまま産婦人科に入院となった。



「母さんが入院の支度夜には届けてくれるって」

由美さんとの電話を終えた凌太が部屋に入ってきた。


「ありがと。ごめんね? 迷惑かけて……」

ベッドに寝たままの私の傍に椅子を運び、凌太が座る。


「美優の返事次第だな」

「……?」


「プロポーズの返事……もう断る理由はないだろ?」


あ……

そうだ……。


凌太は、姉よりも私を選んでくれていた。

赤ちゃんの事もあんなにも喜んでくれた。

すごく嬉しくて、幸せを感じた。


でも…

「でもっ、これ以上凌太に迷惑掛けれない」


私の言葉に、凌太は呆れたように小さく息を吐く。

「俺の”男”を下げるなよ」


「え?」

「責任取って…美優の一生背負わせて?」

「凌太……」



いいのかな?

私、このまま凌太に甘えていいのかな?


答えられずに俯く。



「……やめた」

「え?」

顔を上げて凌太を見つめる。


やめた?

何を?

もしかして…プロポーズ…を?


自分から突き放した癖に、見上げた凌太の顔が涙で滲んでいく。



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