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身代わり妹

第1章 苦悩

「……そろそろ失礼します」


楽しい時間はあっと言う間に過ぎていく。

由美さんが作ってくれた料理を食べながら、由美さんや凌太とおしゃべりをする。

……まるで、昔に戻ったみたい。


ただ純粋に由美さんを母のように慕い、凌太に淡い恋心を抱いていた……

私の人生の中で一番楽しかったあの頃に、
戻ったみたいだ───…。


でも、そろそろ帰って姉と母の洗濯物をやらないとバイトの時間までに終わらない。


「美優、ちょっと待って!」

立ち上がった私に、由美さんが大量のタッパーを持って来てくれる。

中には今日出してくれたおかずや、私が好きだと言ったおかずなどが詰められていた。


「冷凍しとけば長く持つから! 美優は痩せ過ぎなんだからしっかり食べなさい」

そういう由美さんは、本当にお母さんみたいだ。


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