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身代わり妹

第1章 苦悩

姉の命懸けの略奪行為はその身体を酷く蝕み、3ヶ月は大学病院で生死の境を彷徨っていた。


容態が落ち着き、本人の希望もあり、秋村病院に転院して1ヶ月半が経つ。

つまり、姉と凌太が付き合い始めて1ヶ月半だ。


秋村病院の跡取り息子である凌太の恋人。
姉はその立場を盾に贅沢三昧。

贅沢な個室に部屋を移した。

凌太の計らいで、個室料金の上乗せはない。それでも、入院費だけで私の1ヶ月のお給料はなくなってしまう。


それなのに、姉は毎月病室に美容師を呼び寄せては髪を整える。

エステやネイルなども病室に呼びつけて、やってもらっているようだ。


更に愛用の化粧用品はブランド物。

その費用は全て、恋人である凌太に当然のように払わせていた。



(このまま凌太に甘える訳にいかない)

寮の家賃やその他の生活費を稼ぐためしていたバイトのシフトを増やし、休みなく毎日深夜に工場の荷分けをしている。


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