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身代わり妹

第11章 疑心

「よいしょっ」

大きくなり始めたお腹を押さえて立ち上がる。

最近ではさすがに身体が重たく感じる。


食べ終わった食器を洗おうとすれば凌太が慌てて駆け寄った。

「母さんがいる時くらい、家の事はやんなくていいよ」


「でも、由美さんが作ってくれたから片付けくらいは……それに少しは動かないと…」

妊娠は病気じゃないって言うし……。

血圧が高めだから、体重はあまり増やさないようにって言われてるんだよね。



「今日は検診もあって疲れたでしょ? 部屋で休みなさい」

優しく微笑む由美さんが、私にタオルを渡してくれる。

私は泡だらけの手を流し、その言葉に甘える事にした。



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