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身代わり妹

第11章 疑心

「検診の度に、夏実に凌太の親バカぶりを聞かされるんだけど」

夕飯を食べながら、由美さんが苦笑いする。


「今日のは仕方ないだろ! 動いたんだから」

不貞腐れた様子を見せる凌太。


離れてからの5年間で大人っぽくなったと思ってたけど、やっぱり凌太は変わってないな。



「ご馳走様でした」

「美味しかった?」

「はい、由美さんのお料理最高です!」

「美優だけよ〜、そう言ってくれるの」



今日も笑顔で夕食を終えた。

こういうの、幸せって言うんだよね?


当たり前に過ぎていく毎日だけど、笑顔でいられる。


もちろん一日中笑って過ごせる日ばかりじゃないけど、大好きな人の隣で笑っていられるって幸せな事だよね?



(ありがとう。あなたのおかげだよ)

お腹をさすれば、ポコポコっと胎動が返ってくる。


─────幸せ。

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