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身代わり妹

第12章 新人

「痛っ……」

「美優?」


お風呂上がり、ベッドに横になると痛いくらいの胎動が始まる。


「最近は動きが凄くてね、痛いくらい」

心配顔の凌太に、お腹をさすりながら言う。


「元気だなぁ」

ホッとため息を吐き出した凌太もベッドに潜り込み、優しくお腹をさすった。



「男の子かなぁ?」


実はまだ性別は聞いていない。

生まれるまでのお楽しみにするつもり。

でも、この元気さは男の子なのかもしれない。


私がそう言えば、凌太はふっと笑った。


「……美優はどっちがいい?」

「うーん……どっちでもいい。元気に無事生まれて欲しい」


願うところはやっぱり、お腹の中で充分育ち、元気に無事生まれてくれる事。


でも……

本当は男の子がいいかな。

お腹の中にいる時点でこの親バカぶりの凌太。

きっといいパパになってくれると思うんだよね。


でも、お腹の中からこの可愛がりぶり……

女の子だったら、ジェラシーを感じちゃうかも……。


─────なんてね(笑)



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