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「今で充分！ 甘え過ぎなくらい」

お腹に置かれた凌太の指に自分の指を絡めた。


一度は手放してしまったけれど、もう二度とこの手を手放したくない。



「甘えるの下手過ぎ」

苦笑いする凌太に、ぎゅっと抱き着く。


「ごめんね？ でも本当に充分。凌太には感謝してもしきれない」

「美優……」


私を包み込むこの腕の中にずっと居たい。

心を落ち着かせてくれるこの心音も、ずっと聞いていたいよ。



そっと凌太の指が私の顎に触れる。

グッと持ち上げられた私の顔に、凌太の顔が近付く。


唇同士が触れ合うだけの優しいキス。



「美優が笑っていられるんなら何だってしてやる」

唇を離した凌太はそう言って笑った。


そして、今度はリップ音を響かせて、吸い付くようなキスをしてくる。

チュッ…チュッ…

私の唇が凌太の唇から解放される時の音が響く。


離れ難さを示すようなそのキスに、嬉しくて私の口元が緩んだ。