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身代わり妹

第12章 新人

「…あれ? 凌太先生?」


由美さんがお会計に向かったすぐ後で、突然声を掛けられた。


「げっ……なんでここにいるんだよ?」

凌太があからさまに面倒臭そうな顔をする。



「……誰?」


無遠慮に、凌太の腕に腕を絡める若い女の子。

どちらかといえばふくよかなその身体にあっても、大きく存在を示す胸を凌太の腕に擦り付けている。



「友達の出産祝いを買いに来たんですぅ」

絡み付けられる腕を外そうともがく凌太に、逃すまいと更に抱き着いた後、その子は私に向き直る。


「もしかして奥さんですか?

私、受付をやっている朝倉 萌[あさくら もえ]です」


あ……新しい花純ちゃんのペアの子だ。

花純ちゃんが”ちょっと癖のある子”だって言ってた……。


”奥さんですか” なんて聞いておきながら、平然と凌太に腕を絡めるその子…朝倉さん。

花純ちゃんの言っていた言葉の意味が少し分かった気がする。




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