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身代わり妹

第12章 新人

「何なのこの子!」

案の定、母が朝倉さんを睨みつけて声を荒げた。


「……事実でしょ? 私、病院の人たちに頭下げて回ったんだよ?」


凌太や由美さんだけでなく、病院の皆にまで迷惑を掛けた母。

きっとすごく嫌な思いをさせてしまっただろうに、皆はニコニコ笑って許してくれた。


もう二度として欲しくない。

だから母にもわかって欲しい。


なのに……


「アンタが金を置いていかないからでしょ! 私のせいみたいに言うな」



何でこの人は変わらないの?

とうすれば他人の気持ちや、他人の優しさがわかるの?


知らない間に繋いだ手に力を込めていた私の手を、凌太は優しく握り返してくれた。


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