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身代わり妹

第12章 新人

「あなたから解放してやりたい」

母を見る、蔑むような凌太の目。


「凌太! そんな言い方、失礼よ?」

凌太の後ろにいた由美さんが慌てて止めに入った。



「美優にはずっと笑ってて欲しい。そのためなら何でもする」


ぎゅっと凌太の腕に力が篭り、いつもの優しい眼差しが私に向けられた。


「凌太……」

凌太の背中に腕を回し、私も凌太に抱き着く。



「ふーん、凌太先生の奥さんて売春してたんだ?」

甘い空気をぶち壊すような声。


「朝倉さん⁉︎ 」

由美さんが慌てた声を上げた。


「失礼な奴だな」

焦る様子もなく、凌太はチラッと朝倉さんを見る。



「えー? 凌太先生公認の売春?」

「俺がそんな事させる訳ないだろ」

行こう…と、凌太が私の手を引いて歩き出す。


「えー? でもでもぉ」

尚も食らいつく朝倉さんが、私と繋いだ手とは逆側の凌太の腕に抱き着き、凌太が朝倉さんを睨むようにして立ち止まった。


「凌太先生の奥さんの実母さん、毒親ですね。病院の人達もお金せびられたって言ってた」

薄ら笑いを浮かべ、母を見る朝倉さん。



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