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身代わり妹

第2章 嫉妬

大山さんの車を見送り、病院の方へ急ぎ足で戻る途中、

─────グイッ

突然伸びてきた手に駐車場の死角に引きずり込まれる。


驚いて顔を上げると、

「凌太っ⁉︎」

怒った顔の凌太が私の手をキツく握っていた。



「あいつとどういう関係?」

私を睨みながら、低い声で問う凌太。


「どういうって…大山さんはここの患者さんでしょ?」

掴まれたままの腕を振り払おうとしたが、更に強い力で腕を捻じりあげられてしまう。


「痛っ! ちょっ、凌太⁉︎」

痛みに顔を歪めていると、グッと両手を頭の上に押さえつけられる。



凌太の顔が近付き、恥ずかしさに俯く。

が、凌太から発せられた言葉にすぐに顔を上げた。


「お前、まさか援交してないよな?」

「はぁ⁈ してないよっ‼︎」

「じゃあ、夜にする激しい運動って何だよ? まさか、付き合ってんのか?」



は─────…?

また、聞かれてたんだ……。

でも、年の差20歳以上だよ? あり得ない……。

思わず黙り込んだ私。


「っ……」

息を飲んだ凌太の、私の両手を押さえる手に力が入る。


「─────…っ⁉︎」


押し当てられる凌太の唇。

久しぶりに触れる感触に、私の身体は拒否する事を忘れ、それどころか悦びに震えた。

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