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身代わり妹

第15章 【最終章】幸福

(お姉ちゃん……)


凛の顔は、私よりも姉に似ている。

私と姉もよく似ていると言われたけれど、それでも明らかに姉は美人だった。

そんな姉に似ているのだから、私に似るよりも凛にとっては幸せかな?



「……そういえば、凛を連れてった事ないな」

考え込む私の様子に気付いたのか、凌太が声を掛ける。


「美姫の墓参り……凛はまだ小さいからって母さんと留守番してただろ?」

凌太の言葉に頷く。



凛は小さいから……本当はそれだけじゃない。

こんなに姉に似ている凛を、連れて行かれそうで怖かった。


(……連れて行く人なんていないか……)

神経質になっていた自分からフッと力を抜く。



「今日はお散歩にもちょうどいいお天気よ」

由美さんの言葉に、凌太と2人で頷いた。



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