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身代わり妹

第15章 【最終章】幸福

「美姫ちゃん! 美姫ちゃん!」

凛をギューギューと抱き締めるその人……



「おかあ…さん……」

久しぶりに見る母だった。



「やぁーっ、ぱぱぁー」

火がついたように大泣きをし、母の腕の中で暴れる凛。


「みきちゃんじゃない! りんちゃんだ! りんちゃんをかえせ!」

優太が母のももをバシバシと叩く。


凌太を振り返れば、心配そうな顔をして凛を見ている。

でも、私の視線に気付き、口の端を少しだけ上げて笑うと、力強く頷いてくれた。



私に任せてくれたんだ……。

答えるように私も頷く。


先に進むためには避けて通れない。

この人は、私の”母親”なんだから……。


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