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身代わり妹

第15章 【最終章】幸福

凛の悲痛な泣き声に、優太までもが泣き出した。


凌太の腕の中で、泣きながらも凛を心配そうに見つめる優太。

相当怖いのか、優太の身体はガタガタと小さく震えている。


優太を抱く凌太が困ったように笑う。

私も同じように笑い返し、凛を抱きそちらに向かって歩き出した。



ガシッ

後ろから、物凄い力で肩を掴まれた。


「あんたは本当にわからず屋ね!」

母の恐ろしい形相に、凛がまた泣き出した。


「どっちがわからず屋よ⁉︎ 」

母の手が凛に伸ばされ、私は凛を抱く力を強めた。

母が凛の両腕を掴み、力任せに引き寄せようとする。


「いちゃいっ! やぁっ、いちゃいーっ‼︎ 」


痛みに泣き出す凛に、思わず力を緩めてしまった。

泣いて暴れる凛を、母は押さえ込むように抱きかかえる。



「お母さん! 凛を離して! 凛を巻き込まないで!」


凛を抱えて走り出す母に、必死に追い縋る。

母の腕を捕まえれば、物凄い力で突き飛ばされた。


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