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身代わり妹

第15章 【最終章】幸福

「大丈夫か?」

後ろ向きに転び掛けた私の身体を、いつの間にか後ろにいた凌太が受け止めてくれた。


私が頷いたのを確認して、すぐに私から離れる凌太。

母に追いつき、凛を奪い返した。



「美姫ちゃん⁉︎ 返せぇ! 美姫ちゃんを返せー‼︎ 」

狂ったように、また凛を取り返そうと凌太に縋る母。


力の差は歴然で、払い除けられた母は芝生の上に転んだ。



「美優、行こう」

凛を抱いた凌太が駆け寄り、私を促す。


私は、すっかり怯えてしまった優太を抱き上げ、凌太の後を追って走り出した。



少し離れた所で恐る恐る振り返れば、

先ほどの場所で泣き崩れる母の姿が見えた。





─────胸が苦しい。



でも、どう考えたって凛を渡す訳にはいかない。

私は子供達を護らなきゃいけないんだ。


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