テキストサイズ

身代わり妹

第16章 【プレゼント】第一章・宝物

姉は、毎日のように凌太との仲を私に見せつけてきた。

理不尽な別れから半年経っても、私は凌太を忘れる事が出来なかった。

凌太の事が、好きで…好きで……
苦しくて…悔しくて……でも耐えるしかなかった。

その頃を思い出すのは辛い。
景色は真っ暗で、姉の勝ち誇ったような顔だけが白く浮かび上がる。


いつまでも凌太への気持ちを捨てられず、”現実”から逃げ出したくて、私は暗闇に身を落とした。

後悔してもし切れない…
過去に由美さんと凌太が必死に止めてくれたのに、私は本当に馬鹿で浅はかだった……。

それでも、何としてでも逃げ出したかった。

私は、母と姉…そして凌太の前から逃げ出す事に成功した。

由美さんと凌太に迷惑をかける事はわかっていたけど、もう心が限界だった。


私は、誰も知らない街へと逃げ延びたんだ。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ