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身代わり妹

第16章 【プレゼント】第一章・宝物

プレゼントを抱えて、私を見上げる子供たちの前にしゃがむ。


「優太、凛……パパとママの子供として、生まれてくれてありがとう」
そう言って、優太と凛を両手で抱き寄せた。


誕生日の度にそうやって子供たちを抱き締める。

抱き寄せる両手は年々開き、胸の中に収まっていた優太の頭は私の顔の横にある。

温かい2人の体温が、2人が元気に育っている事を教えてくれる。


”私の子供として生まれてきてくれてありがとう”

自分が母親に言って欲しくて…でも言ってもらえなかった言葉。

私は毎年子供達に伝えるんだと決めていた。


「ありがとう! パパとママ、大好き」
はにかんだ笑顔を見せる優太が、私にギュッと抱き付いた。

「りん、パパだぁいすき」
私の腕をすり抜け、凌太に抱き着くパパっ子の凛。


「……もしもし凛さん、パパ限定ですか?」

拗ねた顔を見せる私に、優太は「ママ、大好き」と飛び付いてくれた。

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