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身代わり妹

第17章 【プレゼント】第二章・変化

確かに美優の母親は変わった。


凛に向ける笑顔は、病室で美姫に向けていたものに似ている。

でも、いつかのように凛と美姫を混同していない。



もしかしたら、美優の誕生日に間に合うかもしれない。

そう思うのに、事態はそう簡単には進まない。





「おまるーっ」

真っ白な紙に、大きく円を描き始める凛。


美優の誕生日まであと2ヶ月。

今日は凛と一緒に優太を連れて、美優の母親の元へと来ていた。


「凛、これ何?」

凛の隣で同じようにお絵描きしていた優太が、顔を上げ凛に聞く。


「ママのおたんじょうび」

言いながら、凛はグルグルとたくさんの円を描いていく。


「あ、ママのお誕生日プレゼント?」

優太が言えば、凛は大きく頷く。


俺の誕生日に絵をプレゼントしてくれた凛は、それ以来 誕生日プレゼントと称してはお絵描きをしていた。


隣で聞いている美優の母親。

……美優の誕生日…思い出してくれたかな?


美優の似顔絵らしきものを楽しそうに描く優太と凛を、美優の母親は優しい笑顔で見ていた。



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