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身代わり妹

第17章 【プレゼント】第二章・変化

そのまま、月日は過ぎて行った。


それでも変わらず、その後も何度か優太と凛を連れて、美優の母親の元へと足を運んだ。


幼稚園の話をする優太。

本を読んでとせがむ凛。

美優の母親は優しい笑顔で2人の相手をしてくれた。



「……美姫ちゃんに子供がいたらこんな感じかしら」

今でもまだ、美優の母親は美姫の事を口にする。


「美姫ちゃんは美優の事……」

そう言って口を噤む美優の母親。

「これ、美姫が美優に遺したものです」

俺は、美姫が美優に宛てて遺したiPadのメールを母親に見せた。



”ごめんね。美優を苦しめ続けてごめんね。こんな病気に苦しむのは私だけでいい。私が死ぬ時は、美優の病気も一緒に持って行ってあげるから”


「嘘みたいな話だけど、美姫と同じ病気を発病していた筈の美優の身体から、病気が綺麗サッパリ消えてました」

俺の言葉に、美優の母親は驚いて顔を上げた。

その目には、涙が溢れそうに溜まっていた。


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