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身代わり妹

第2章 嫉妬

トイレに駆け込み、ゆっくりゆっくり呼吸を整える。


「は…はぁー……」


今回は、軽いうちにどうにか治まった。
でも最近、発作が頻繁になってきている。


(花純ちゃんには迷惑掛けっ放し……)

急いで戻ろうと、少し慌ててトイレから出た。


クラッ…

フラついた身体が傾く。

(や…ばい……)

転ぶ─────…

ギューッと目を閉じ、衝撃に備える。



ガシッ

前のめりに倒れた身体が、強い力で引き上げられた。


慌てて目を開ければ、

「美優? 顔色悪いな。大丈夫か?」

抱きとめられた胸の中で、耳に心地良く響く愛おしい声を聞いた。



「凌太…先生っ、すみません!大丈夫ですっ」


その胸が凌太のものだとわかると、ドンッと押し返すようにして離れた。

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