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身代わり妹

第2章 嫉妬

それから1週間、姉の体調も落ち着き、私も凌太と今まで通りを必死に演じていた。



(あ…まただ……)

外来患者のピークが過ぎたのを見計らったかのように、ズキズキと痛み出す心臓。

最近発作の頻度が多くなった気がする。


(大山さんのお会計が終わったら…ちょっとトイレで休もう……)

楽しげに話しながらお財布に手を突っ込む大山さんに、気付かれないように溢れ始めた冷や汗をハンカチで拭う。


隣に座る花純ちゃんに気付かれないように、乱れ始める呼吸を必死に整える。

「─────美優先輩⁉︎」

キーボードを打つ手を止めて、花純ちゃんが私の顔を覗き込んだ。


「また発作ですか⁉︎ 顔真っ青ですよ⁈ 休んで来て下さい‼︎」

小声でそう言って、私の手元のカルテを奪う花純ちゃん。


本当はかなり辛かったから、そう言われると有難い。

「ごめんね…今度何かおごる……」

私も小声で答え、そっと席を立った。

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