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身代わり妹

第3章 解禁

結局……

入院するためのお金を用意する事が出来ないまま1週間が経っていた。

幸い、倒れるほどの発作はあれ以来起きていない。


由美さんには、お金が用意出来るまで入院は待って欲しいとお願いした。

私の身体を心配してくれる由美さんは、後払いでも構わないからと入院を勧めてくれたけど、いつ返せるかわからないのが心苦しくて断った。


凌太には、会ってない。


というか、徹底的に避けた。


気持ちがぐちゃぐちゃ過ぎて会えない。

会ったらきっと酷いことを言ってしまう。


お世話になりっ放しで、私は文句なんか言える立場じゃない。


身代わりだったとしても、

私にとっては、生まれて初めて、あんなに穏やかで幸せな時間をくれたんだ…

感謝しなきゃいけない。



……わかっていても……苦しい……。

……それでもまだ好きだから……辛い……。



だから、

会えない─────…。


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