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身代わり妹

第1章 苦悩

母である瀧川 早苗[たきがわ さなえ]は、姉を溺愛していて、28年間姉の病室に付き添いをしている。


─────母は、

姉を生かすために私を産んだのだという。


実際、姉は私の健康な身体を妬んでいるし、母も常に私と姉の身体を入れ替えてあげたいと言っている。


姉のものは姉のものなのに、私のものまでが姉のもの。

私の身体…血液や臓器でさえも姉のものなのだと母は言う。


その、

教えを守るかのように、

お姉ちゃんが私から当然のように奪ったもの───…


それは……



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