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身代わり妹

第1章 苦悩

(───…っ見てなきゃキスする訳⁈ )

恋人同士なのだから当然なのだけれど、複雑な心境の私は顔を歪め目を逸らした。


「やだやだっ、キスしてくれなきゃ今日一日治療を頑張れないよぉ」

尚もキスを迫る姉は、凌太の胸に顔を埋めながらチラリと私の方を見た。

勝ち誇ったような…そんな姉の瞳が突き刺さる。


「───…っ仕事終わったら、また洗濯物受け取りに来ます」

耐えきれなくなり、私は逃げるように姉の病室を飛び出した。

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