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身代わり妹

第5章 揺心

<side 美優>


「わかんないよ‼︎ 私は凌太みたいに簡単に気持ち切り替えられない!」


叫んでからハッとする。

目を見開いて私を見つめる凌太。

悲しげなその瞳に、心が揺れた。



「ごめん……」

涙が溢れてきて、私は俯いた。


由美さんが慌てて駆け寄ってきたけれど、私も凌太も何も言わなかった。

これ以上、凌太に酷い言葉を言いたくない。



─────さっき…見ちゃったんだ。


凌太の…ポケットの中……。

可愛くラッピングされた小箱。


あれはきっと、姉への婚約指輪。


姉の誕生日は私の二日後…明日だ。

明日……

29歳を迎えた姉に、凌太は…プロポーズするんだ…。



心が痛い。


苦しくて苦しくて、もう…耐えられそうにない……。




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