桜田組の組長さん
第2章 誘拐
コンコン
「お嬢、お話が。」
朝ご飯も食べ終えて1人、部屋にいると和馬がきた。
「なに?…入っていいよ?」
ガチャ
バタン
「手足は大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫だよ…それよりどうしたの?」
「…あのですね。濱田家のことなんですが」
「うん?」
「濱田麗子をお嬢と同じ目に合わせようと思っております。」
「…私と同じ目に?」
「はい。これは僕と咲哉で選びました。そこまでしないと腹の虫が収まりません。」
「…そっか…。ならいいよ」
「えっ?いっいいんですか?」
「うん!!…けど少し変えさせて」
「?」
私は和馬の近くまで行き、耳を貸すように指示し、私の意見を言った。
「はい。わかりました。ではさっそく皆に報告いたします」
「よろしく」
「あっ、あと熊田組の処理はどうします?」
「熊田組かぁ〜。…うん!!私が直接言いに行くよ」
「はい。そちらも報告いたしますね」
ガチャ
バタン
昨日のことを考えただけでも震えてくる。
手足を縛られて抵抗できなくなって…。
『可愛い顔にかけちゃいなよ』
『そそるね〜』
ガタガタ
怖いっ!!
震えが収まんない
止まってよ!!
そう思って腕を抱いた。
けど、全く止まってくれなかった。
ガチャ
「お嬢もう1つ言い忘れてたんですが……」
「和…馬…グスッ…たす」
ギュッ
「お嬢大丈夫。僕がついていますから。」
「かず…ま………怖かっ…た…うっ…怖かったよぉグスッ」
「怖かったでしょうね。でも咲哉が助けてくれたでしょう?僕たちはお嬢を守るためにいるんです。安心してください。命に代えてでもお守りします。」
「…うん…ありがとう…グスッ」
和馬は返事をしない変わりに優しい手つきで頭をなでてくれた。
私は泣き止むまで和馬に抱きしめてもらっていた。