テキストサイズ

桜田組の組長さん

第2章 誘拐



「和。私が行くから大丈夫」

「よろしくお願いします。」

『かっ顔がぐちゃぐちゃだぜ!?』

『死んでんじゃね!?…こえーよ』

新人たちが怯えていた。


私は和馬が行こうとしているのを止め自分で行った。


ボキッ

バキッ

ミシ…ミシッ

「…」

咲哉の隣に行き、咲哉を見てみた。

「咲…」

無表情でなにも喋らず、ただ無心で殴っている。

グニュッ

グチョッ

グチャ


相手の顔が真っ赤に染まり異様な音を響かせた。

「咲やめて。」

「…」

グチャグチャ

グキュッ


「咲哉いい加減にして!!」

パチンッ

私は咲哉にビンタした。

「お…嬢…?」

「目覚めた?そんなに殴ってたら死んじゃうよ。その人。」

「あ…ごっごめん、夢中になってた。」

ドサッ

咲哉は殴っていた男を手から離し地面に落とした。

「夢中になるのはいいけど、ザコ相手にそこまでやらなくていんじゃない?」

「ちょっと、こいつ頭にきてて」

「私こいつ覚えてるんだ。…咲哉、ありがとう」


咲哉の気持ちを考えたらたぶん咲哉は私のために殴ったんだと思う。

だから、私はお礼を言った。


「今度こそお嬢を守るから。絶対!!」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ