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桜田組の組長さん

第3章 お友達?

和馬side

ユサユサ

「お嬢、屋敷に着きましたよ。」

「ん〜……スー…スー」


さっきからこの調子だ。
まったく起きる気配がない。


「お嬢全然起きねーなww」

ケラケラ笑いながら咲哉が僕のところに来た。

「まったく起きない。…仕方ないな。」

僕は寝ているお嬢をヒョイっとお姫さま抱っこし、車から出した。

…ん?

「…また軽くなった?」

「俺もそう思う。お嬢最近、忙しかったから夜食べてない日が多かったしな。」

「そうだったな。…お嬢、無理しすぎですよ。」

僕の胸の中ですやすや眠っているお嬢を見ながら優しく言った。

「それじゃ俺、部屋戻るわ。新人たちとお嬢を頼んだ」

咲哉は手をだらしなく振り「おやすみ〜」と言いながら屋敷へ入っていった。


…無責任なやつ
お嬢はいいけど、新人まで僕に押しつけるとか…

「…新人の皆さん、部屋に戻って休んでください。」

ガヤガヤ

新人たちは楽しそうに今日のことを話していて、僕の言葉は聞こえてないみたいだ。


…うるせーな。


僕は新人たちに近づいた。

「おい!!てめぇらいい加減にしろよ!!お嬢が起きたらどうすんだ!!さっさと部屋に戻れ!!」

「「はっはい!!」」

新人たちはダダダダダッと走って屋敷の中に入っていった。

新人たちがいなくなり外が静かになった。


なんとなく僕は空を見上げた。

星がたくさんあり綺麗だった。

「…星、すげぇ。」

僕が星に見とれているとお嬢が起きた。

「…っん。……和?」

目を擦りながら僕のほうを見ている。

「すみません。起こしてしまいましたか。」

「星…綺麗だね…。」

「綺麗ですね。…さあ、夜冷えする前に部屋へ行きましょう。」


僕はお嬢を抱えたまま、屋敷の中に入った。

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