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桜田組の組長さん

第1章 桜田組

和馬side


「どこ?」

「口の横ですよ。…動かないでください」

お嬢は素直に動かないでいた。


お嬢の口の横に付いているご飯粒を取ってあげた。

「っん……ありがと和」

「ご飯付けるとか…。お嬢は子供ですか?しっかりしてくださいよ」

「はぁーい。ごめんなさい」

「わかればいいです。」


こんなことを言ってはいけないと解っていても、お嬢を見てるとつい口うるさくなってイジメたくなる。


「おい和馬!!てめぇお嬢に向かってなんて口の聞き方してんだ」

「あ?ただ、普通に言っただけだろ。咲哉は黙っとけ」

「はあ?お前こそ黙っとけクソ眼鏡!!」

「いちいち声がでけぇんだよ。バカ変態」

「ちょっと!!今ご飯食べてるんだから喧嘩しないで!!」

「「…」」

お嬢に言われて我に返った。


咲哉はお嬢といっつも楽しそうに話してるからムカつく…。
僕がお嬢と話すことと言えば組の話し。
楽しい話しなんかしたこともない。


「…はぁ」

そんなことを思っていたらため息がでた。

僕はお嬢を見た。

お嬢は仲間たちと笑いあっていた。


お嬢、僕の前じゃあんまり笑わないんだよな…。

なんだか食欲が無くなった。


その場からそっと席を外し、真理子さんがいる台所に行った。

「真理子さん、ごちそうさまでした。…学校に朝から用事があるんでもう行きますね。」

「まだ6時30分だよ?学校も大変だねぇ〜。お嬢と咲哉君は行かなくてもいいの?」

「あの2人はいいです。僕だけ先生から頼まれてたんで。…お嬢たちには『もう行った』と言っておいてもらえますか?」

「?…自分で言えばいいじゃん。」
「そこをなんとかっ!」

「まっいいけど。…お嬢となんかあったの?」

「いえ、なにもありませんよ。…それじゃぁ行ってきますね」

「…いってらっしゃい」

僕はその場から逃げるように屋敷をでた。

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